の導入事例

取材協力:2020.12

契約後わずか2か月ほどで入力インターフェースの改善に成功。Salesforceの使い勝手をさらに高めるための強力なツール「RaySheet」

株式会社バドインターナショナル様


※ 事例記事の内容や担当者所属は取材当時のものです。最新の情報と異なる場合がございますのでご了承ください。


旅行業界を中心にDTPやWebサイト制作など広告デザインを手掛けている株式会社バドインターナショナルでは、Salesforceにて広告制作の案件管理を含めた基幹業務の基盤を構築しており、作業指示伝票の入力などの効率化を実現するべく、Excel感覚で操作できるRaySheetを活用しています。カスタム開発とは違う汎用的なツールであるRaySheet導入の経緯について、システム課 今井 玲史氏および同課 本荘 康弘氏にお話を伺いました。


【課題】時間とコストが必要なカスタム開発、さらなる改修要望への対応に課題

■管理負担の軽減や損益の見える化に向けてSalesforceに移行

旅行や観光産業における広告制作やシステム開発を中心に事業を展開している株式会社バドインターナショナル。各種パンフレットやDM、チラシ、ポスターなどの制作を行うDTPを中心に、Webサイト制作や写真撮影、動画制作、イラスト制作が可能なクリエイターが多数在籍しており、制作物に関する企画立案から撮影、取材・執筆、デザイン、印刷および発送手配まで一括して請け負うことが可能な体制を整備。クリエイティブワーク全般が内製化できる環境を武器に、メインクライアントが展開する全国各地の拠点や海外に支社を展開するなど、広告制作のプロフェッショナルとして顧客のニーズに応える環境づくりを推し進めています。

そんな同社では、従来DBツールを駆使して構築されていた案件管理などの基幹業務基盤を2015年にSalesforceへ移行にむけてスタートした経緯があります。「管理業務の負担を減らすべくクラウドサービス活用を進めているなかで、開発業務の属人化解消や損益の見える化に向けた環境づくりを検討しました。他業界も含めて、数字の見える化に資する仕組みとして多くの企業でSalesforceが採用されていたこともあり、我々も基幹業務をSalesforceへ移行する決断を行ったのです」と今井氏は当時の状況について振り返ります。

今井玲史 様
今井玲史 様
株式会社バドインターナショナル
システム課 課長

■1年かけてカスタム開発を実施、さらなる使い勝手の向上が求められる

ただし、これまでの運用フローをSalesforceにて実現するために、外部委託したうえで1年ほどの期間をかけてカスタム開発を実施することに。「例えば1つの印刷物の制作案件でも、取引先が展開する支店ごとに納品することがあり、印刷会社に支店ごとの納品形態などを指示する必要があります。つまり、1つの伝票レコードに対して納品先となる支店ごとの指示を入力しなければならず、最大80件ほどに膨らむこともあったほど」と本荘氏。もともと標準的なSalesforceでは、レコードごとに詳細画面に遷移してそれぞれ入力せざるを得ず、情報入力のために80回もクリックするようなフローでは現場の負担が大きいと判断。表形式で簡単に入力できるよう、インターフェース改修を行ったのです。

カスタム開発にてインターフェースを改修したうえでSalesforce上にて基幹業務を運用してきましたが、現場からはさらなる改修が求められていました。「表のセルごとには可能なものの、表全体でのコピー&ペーストには対応できないケースがありました。またExcelなら可能なドラッグ&ドロップでの連続処理の機能が限られるなど、入力に関してもっと使い勝手を高めて欲しいという声が挙がっていたのです」と本荘氏。

本荘康弘 様
本荘康弘 様
株式会社バドインターナショナル
システム課

RaySheet導入前の課題

  • 納品形態や納品先の入力が膨大で現場の負担が大きい
  • Excelのような表形式でのコピーペーストやドラッグ&ドロップによる連続入力を希望する現場の声

【選定】Salesforceの使い勝手を高める汎用的なツールとして注目したRaySheet

そんな環境を改善するための検討をスタートさせた本荘氏ですが、新たに外部委託にて高額な費用と長期にわたる改修期間をかけるよりも、Salesforceと柔軟に連携できる汎用的なツールでうまく業務効率化につながる仕組みを模索することに。同時に、Salesforceが持つ標準機能で設定変更できるレベルよりも、さらに深く掘り下げて設定変更できる環境を整えたいという思いもあったと説明します。「プログラム開発とまではいかずとも、標準機能よりも掘り下げて設定変更できるような環境が欲しいと常々考えていたのです」と本荘氏。

そんな折、Salesforceの帳票出力に関するカスタマイズを相談していたインテグレーターから提案を受けたのが、Salesforceの一覧をExcel感覚で入力・操作できる、グレープシティが提供していたRaySheetでした。「実は普段からSalesforceに入力している営業担当がちょうどその場に同席しており、RaySheetに触れたときの反応が非常に良かった。課題となっていた入力部分の不便さを、RaySheetであれば解消できると考えたのです」と本荘氏。

早速RaySheetを提供するグレープシティから詳細な話をヒアリングしたうえで、さらなるインターフェース改修に向けてRaySheet導入を決断。契約後は、案件情報が入力されている伝票レコード画面にRaySheetを埋め込む設定や利用時のビュー項目の設定、現場でのテストを実施し、わずか2か月ほどで運用開始することに成功します。「パートナーから支援いただいたところ、Salesforceが提供するカスタムユーザーインターフェース作成のツールであるVisualforceを少しいじっただけで、負担なく簡単に埋め込むことができたのです」と導入の容易性について本荘氏は説明します。


【効果】Salesforce活用の幅を広げるための汎用的なツールとして効果を実感

■Salesforceのインターフェース改善に大きな効果を発揮するRaySheet

現在は、案件管理の入力を行う営業担当者を中心にRaySheetを活用しており、1つの伝票レコードに対して複数の納品先がある場合の案件入力時に役立てています。また、印刷工程が複雑に枝分かれするような際の指示だし時や製本・運送といった工程ごとのコスト入力時にも有効活用している状況です。「我々の業務にあった使い方ができるツールとなっており、わざわざ現場に説明するといった展開を意識せずとも、自然に業務ツールとして受け入れられています」と本荘氏。実際には営業部門だけでなく、経理部門でも経費処理の部分で一部活用が進められています。

カスタム開発にて実装された表では、項目ごとに1件ずつ貼り付けを行う必要がありましたが、今では複数の項目を一気に貼り付けできるだけでなく、ドラッグ&ドロップすることで複数行に対して連続入力できるなど、Excelのように活用できることで入力業務の効率化に大きく貢献しています。「作業の工数自体はおそらく6割ほどは削減できており、入力項目が多くなればなるほどその効果は実感できています」と本荘氏は評価します。

使い勝手の面でも、カスタム開発に比べて便利になった点が多いと説明します。以前の仕様では、必要な項目を修正して一括保存する場合、入力ミスがあればどこが誤った入力なのかが判断できないケースもありましたが、RaySheetであればエラー項目がクローズアップされてミスが把握しやすくなっていると評判です。また、一括で修正する場合はCSVで書き出したものを修正したうえで再度アップロードする必要がありましたが、今ではCSVで出力せずに画面上で連続修正できるようになっています。さらに、Salesforce標準のレポート機能とは異なり、RaySheetであればExcelに近い形でそのまま出力できるため、取引先別の集計といったことも容易になっていると高く評価しています。

■カスタム開発対象のオブジェクト以外の情報も確認できる点が魅力

RaySheetを適用したことで、必須項目の色分けや住所情報といった情報をDBから簡単に呼び出しできるようになるなど、情報の抜け漏れや入力ミスなどの軽減にも役立っています。「色分けされて表示できるため分かりやすくなり、入力のストレスなどメンタル的な負担軽減にも貢献しています。以前は入力作業の負担が大きかったため、ある程度ため込んで作業するメンバーが少なくありませんでしたが、今は情報が入ってきた段階で負担なく入力できます。入力し忘れなどもなくなったと評価の声が寄せられています」と本荘氏。

導入当初は営業の入力作業効率化が目的でしたが、RaySheetであればSalesforce上の全てのオブジェクトのデータをカスタム開発せずに一覧で確認できる仕組みとなっており、用途の幅が広がっている状況にあると語ります。「RaySheetはSalesforceの使い勝手を高めてくれるパッケージ製品です。対応までに時間が必要なカスタム開発とは違い、現場から求められる改善要望に、すぐに応じることができるようになったのは大きい」と本荘氏は評価します。

■汎用的なツールであるRaySheetを今後も積極的に活用したい

現状Salesforce内のデータを自動的に書き出して他システムで利用するといった連携が行われていますが、Salesforceが標準で提供しているデータインポート/エクスポートツールのデータローダについてはサポート面で課題が残されており、今後はRaySheetを活用することも視野に入れていると語ります。また、新たにSalesforce内に給与や人事関連の情報が投入されてくれば、RaySheetを適用する業務もさらに増えてくるはずと期待を寄せています。

今井氏も「以前から作業単位ごとに工数入力が行われていますが、原価管理のための集計作業にもRaySheetを便利に活用しています。Salesforceをさらに便利に活用していくなかでは、今後も手を加えていく場面が出てきますが、コストも費用もかけざるを得ないカスタム開発はできる限り避けたいところ。RaySheetのような汎用的なツールであればすぐに使えて効果が出やすいため、今後も積極的に活用していきたい」と将来的な展開について語っていただきました。

RaySheetの導入効果

  • 一覧の一括コピーなど、Excelライクな一覧画面による入力工数6割削減
  • 条件付き書式の視覚効果によるヌケ・モレの低減
  • カスタム開発による開発委託費用を削減

企業情報

株式会社バドインターナショナル

株式会社バドインターナショナル

本社所在地
〒141-0031
東京都品川区西五反田1丁目21−8 ヒューリック五反田山手通ビル5階
設立
1992年3月4日
事業内容
  • デザインおよび制作全般
  • システム開発
  • デジタルデータ管理運用業務、顧客管理サポート業務
お問合せ先
https://www.bud-international.co.jp/contact/
Webサイト
https://www.bud-international.co.jp/
お問合せ